メディカルアロマアンチエイジング研究所と銀座医院の取り組みが
第19回日本抗加齢医学会総会にて発表されました!

2019年6月14日(金)〜16日(日)にかけてパシフィコ横浜で開催された「第19回日本抗加齢医学会総会」にてメディカルアロマアンチエイジング研究所(運営 アロマスクール ラヴァーレ)と銀座医院の取り組みが「精油(エッセンシャルオイル)塗布における各種ホルモンへの影響について」として発表されました。
発表の概要については以下をご覧ください。
精油(エッセンシャルオイル)塗布における各種ホルモンへの影響について
杉岡陽介1), 菅野也寸志1), 三井理恵4), 福原延樹4), 加藤倫卓2), 栗田泰成2), 塚本敏也2), 菅野千津子1),久保明1)2)3)
(1.アロマセラピースクールラヴァーレ メディカルアロマアンチエイジング研究所, 2.常葉大学健康科学部静岡理学療法学科 , 3.銀座医院検査科, 4.銀座医院抗加齢センター)

【目的】
 当アロマセラピースクールに併設するメディカルアロマアンチエイジング研究所ではアロマセラピーによる効果を、今までの“なんとなく気持ちが良い” “効果があるような気がする”といった主観的な評価から各種血液検査や生理検査などの医療機器を用い効果を数値で表し“見える化”することによって客観的な評価を行い、具体的にどのような効果があるかを検証している。
 今回、アロマセラピー前後の各種ホルモンへの影響について解析を行ったので報告する。

【対象】
対象は26~45歳までの女性20名(平均年齢39±5歳)とした。

【測定項目】
アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、コルチゾール、エストラジオール、インスリン、FT4 (遊離サイロキシン)、血糖、白血球分画、BDNF(脳由来神経栄養因子)とした。

【方法】
アロマセラピーを行う前に血液検査を実施し、その後、被験者に当スクールにてブレンドしたオイルをご自身で塗布できる範囲(頭部、顔、背中以外)に毎日入浴後10mlを30日間塗布を行なって頂き、再度血液検査を実施し、その前後の値を比較検討した。

アロマセラピーには
1.気化させて鼻から吸入
2.直接皮膚へ塗布し吸収させる
などの方法がある。
今回の検討は皮膚からの吸収とした。

【使用した主なオイル】

  • ラベンダーアングスティフォリア
    (鎮静、鎮痛、リラックス、安眠作用)
  • レモン
    (血流促進作用、抗菌、抗ウイルス作用、リフレッシュ作用)
  • ローズオットー
    (ホルモン様作用、リラックス作用)
  • ペパーミント
    (鎮痛、血流促進作用、冷却作用)
  • サイプレス
    (ホルモン様作用、リラックス作用、脳血流促進作用)

上記の精油を中心に最適な配合でブレンドし植物性スクワランオイル(オリーブ由来)で希釈しました。
注:アロマオイルは使用法によっては身体へ悪影響を及ぼすこともあるためブレンドは専門の知識を持ったセラピストによって最適なブレンドを行った。

【結果】

 表1 介入前後の各指標

介入前 介入後 P
アドレナリン(ng/mL) 0.028± 0.001 0.033±0.015 0.344
コルチゾール(µg/dL) 9.22±3.42 10.33±5.15 0.190
エストラジオール
(pg/mL)
125.7±126.6 151.1±132.6 0.443
血糖値
(mg/dL)
89.2±12.8 91.6±14.3 0.132
白血球
(/µL)
4999±1390 5423±1889 0.102
FT4
(ng/dL)
1.246±0.150 1.336±0.137 0.009
インスリン
(µU/mL)
6.36±6.94 7.93±6.18 0.059
BDNF
(pg/dL)
23920±8485 30665±9500 0.0004

FT4(遊離サイロキシン)、BDNF(脳由来神経栄養因子)は介入前後においてt検定で、 p<0.05 以下と有意差が認められた。


 図 BDNFの変化

【BDNF:脳由来神経栄養因子について】
BDNFは記憶に関わる海馬に高濃度で存在し、特異的受容体TrkB(tyrosine kinase receptor B)と結合し、神経細胞の成長を促し、記憶、学習などの機能を発現する。一方加齢とともに減少するため、認知症への応用も期待されている、また、海馬の萎縮を伴うアルツハイマー型認知症では健常者と比べBDNFが減少していることもわかっている。ただし過多で神経毒性を持つ。

今回の検討においてBDNFが有意に増加した。
23920±8485 → 30665±9500(1.28倍)

【結語】
抗加齢医学にとって認知症は大きなテーマであるが、現在認知症に対する4種類の保険薬剤の効果は限定的であり新薬の開発も停滞している。
今回独自にブレンドしたアロマオイルの塗布によりBDNFが有意に増加しており認知症対策としての応用の可能性が示唆された。
今後はMCI (軽度認知障害:mild cognitive impairment)の方々を含めた長期的な検討を行いたい。

発表内容の資料につきましては、以下よりご覧いただけます。
【第19回日本抗加齢医学会総会/資料(PDF/861KB)】

メディカルアロマアンチエイジング研究所は「アロマでアンチエイジング」 をテーマに、今までハッキリしなかったアロマセラピーの効果を”見える化”していきます!
病気の予防をしながら、美しさも忘れない!
メディカルとアロマの融合で叶う、次世代のアンチエイジングをこの先も研究してまいります!